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スポットマップ

歴史ある古道沿いの奈良原地区から、“心が整う宿”をご紹介

浅間山麓6市町村によるASAMA AREA SIXで作ったEバイクのコース「浅間山麓サイクリングツアーマップ」にある県道94号東御嬬恋線。

この東御嬬恋線は古くから嬬恋村・鹿沢温泉の湯治場へと向かう「湯道(ゆのみち)」であり、峠越えの険しい道中の安全祈願として、東御市の新張の交差点から鹿沢温泉「紅葉館」まで1町(約110m)ごとに観音様が祀られています。その数なんと百体。江戸後期から明治初期にかけて設置されたこの百体観音に道中の安全を祈願しながら、人々は鹿沢温泉まで歩いたという歴史ある「山の湯道」です。

今回はその道中にある東御市奈良原地区から2軒の宿「西川ペンション星の宿」「奈良原温泉 あさま苑」をご紹介します。

東信ではここだけ!天体観測ができる「西川ペンション星の宿」

「西川ペンション星の宿」は、百体観音36番「聖観音」の付近で、Eバイクのコースである東御嬬恋線から西方に1本入った道沿いにあります。標高1200m、空気の透明度が高く、本格的な天体観測ができる宿として人気を集めてきました。また、湯ノ丸山への登山や湯の丸スキー場を訪れるお客さまの活動拠点としても多く利用されています。

西川ペンション星の宿_外観

全室暖房完備、洋室7室と和室1室、定員27名のお宿で、ダイニングルームやソファのあるリビングルームでミーティングをしたり天体の映像が見られたりと、アットホームな雰囲気。スキーやスノーボードを置くことができる乾燥室もあります。

広い庭に入って一際目を引くのは、3台の白いドーム型天文台。その中で一番大きな天文台に設置されている31センチ大型反射望遠鏡は、木星・金星・土星を同時に見ることができるうえ、木星のガリレオ衛星や金星の満ち欠け、土星のリングも観測できるという性能で、普段では気付くことのできない星の世界を体験することができます。

ドーム型天文台

他にも大型双眼鏡や通常の反射望遠鏡などを収納している建物もあり、これらを使って思い思いに星を見ることができます。この建物、開閉できる屋根などオーナーの西川さんの手作りというのが驚き!西川さんの“天文愛”が伝わってきますね。

オーナーの西川さん

また、東御市は全国的に晴天率が高いことで有名で、晴れた夜にはここで観測会が開かれています。西川さんによる星座のお話や天体観測の説明を聞きながら星空を見上げる特別な体験は、きっと一生の思い出になることでしょう。

金環日食の写真

7月中頃から8月は、修学旅行や天文部など学校の合宿で利用するお客様が多いそうです。ここから見る星が好きで30年以上も利用しているというお客さまや、登山の拠点として利用した際に天体観測に魅せられ、その後毎年訪れるようになったというお客さまもいます。

家族で実現した「星の宿」の歴史

「西川ペンション星の宿」は、今から47年前に西川さんとご両親の3人で開業。庭で星がきれいに見えることをきっかけに、「特色のあるペンション作りをしよう」と42年前に大型天体望遠鏡を取り入れました。それ以来、天体観測ができる「星の宿」として多くの方から愛されています。

西川ペンション星の宿_看板

現在は西川さんと奥さまとの二人三脚で営んでおられ、奥さまが作る洋風家庭料理や果実酒での団欒のひと時も魅力のひとつです。

昼間は登山や観光、スキーを楽しみ、夜は満天の星空を見上げ、宇宙のロマンに思いを馳せる。

そんな心身ともに“整う”ひと時を過ごせる「西川ペンション星の宿」、ぜひ訪ねてみてください。

 

文化人が愛した宿、豊かな自然と良質な天然温泉が魅力の「奈良原温泉 あさま苑」

奈良原温泉 あさま苑_外観

「奈良原温泉 あさま苑」は、湯の丸高原のたもと、標高約1100mの場所に位置します。大正11年の創業以来、湯治の宿として親しまれてきました。昭和時代に百体観音が移設されたことにより、30番「千手観音」が敷地内にあります。

百体観音_30番千手観音

大正〜昭和初期の文豪・坂口安吾が訪れたり、東御市祢津出身の水彩画家・丸山晩霞は創業者と親交があったりと、文化人が愛した宿としても有名です。

家族で営む、昭和初期の良き時代を大切にしたお宿

趣のある入口の戸を開けると、広い玄関の右手に古くから使われている囲炉裏があり、この宿の長い歴史を物語っています。

あさま苑の建物は昭和初期に改築したままの状態を綺麗に保ちながら大切に使われており、さらに館内には囲炉裏の他に、大正、昭和のレトロな体重計やマッサージチェア、絵画などがディスプレイされています。その懐かしい雰囲気は、特に60代以上の方の心を掴み、懐かしさと安らぎを求めて泊まりに来るリピーターのお客さまも多くいらっしゃるそうです。

大正、昭和のレトロな体重計やマッサージチェア

現在のオーナーの斎藤さんは3代目。奥さまと先代であるご両親と、家族でこの歴史ある宿を切り盛りしています。

よく温まると評判の天然温泉のお風呂

温泉は大正11年に屋敷内で自然に湧出した源泉100%のお湯で、メタケイ酸が豊富な美肌の湯として知られています。茶褐色のにごり湯で炭酸成分や鉄分が多く、よく温まるお湯として評判です。浴槽の目の前にはアルプスの山々。景色を楽しみながら質の良いお湯にゆっくりと浸かって心身ともに整える事ができる温泉です。

奈良原温泉_温泉_01

創業時から伝わる鯉料理と、手作りの品々でのおもてなしが嬉しい食事

あさま苑のお料理は、佐久鯉を使用した鯉料理と、自家製野菜を中心に季節の野菜や敷地内で採れた山菜を使った田舎料理。この地域の名物である鯉の旨煮や新鮮な鯉のあらいをいただくことができ、創業時からここの名物としても知られていたそうです。

奈良原温泉_料理

昭和初期にあさま苑(当時は富士見館という名前)に滞在した坂口安吾は、「ラムネ氏のこと」という作品の中で、逗留中に出された「鯉と茸料理」について触れています。当時の風習や奈良原の人々の生活について書かれており、その人間味あふれる様子が大変興味深い作品です。

また、毎年家族総出で仕込むという自家製味噌を使った味噌汁も自慢の一品です。朝食は和食が基本ですが、洋朝食(要予約)を選ぶこともでき、天然酵母の自家製パンや自家製ジャムを楽しむことができます。この地域ならではの素材を使った手作りの品々でのおもてなしは、旅の良い思い出になりそうですね。

自然に囲まれ、心が休まるお部屋

客室は8部屋、全室南向きで日当たりが良く、冬でも暖かく過ごせます。

日当たりの良い和室

自然に囲まれた静かな環境の中で時を過ごしていると、先にご紹介した文化人たちが好んで訪れた理由が解るような気がします。

大きな窓からは、朝方に雲海が見える日もあるそうです。標高の高い場所ならではの四季折々の景色も楽しめそうですね。

窓からの眺望

おすすめの過ごし方

「湯の丸高原で四季折々の花などを見ながら散策を楽しんだ後、ゆっくり温泉につかってリフレッシュしていただくのがおすすめです。また、海野宿や小諸の懐古園、上田城など、近隣の観光地へのアクセスも良いので、ここを拠点に旅をするのもいいですよ。」と、オーナーの斎藤さんご夫妻にここでの過ごし方を教えていただきました。

他に、敷地内にテニスコートが5面あり、夏は合宿での利用も多いとのこと。テニスコートは一般のお客さまも使用可能なので、興味のある方は問い合わせてみてください。

良質の温泉と家族経営の素朴なおもてなしが嬉しい歴史あるお宿「奈良原温泉 あさま苑」をぜひ訪ねてみてくださいね。

 

東御市の“心が整う宿”いかがでしたか?天体観測をしたり温泉につかったりと、好みに合わせてリフレッシュできる「西川ペンション星の宿」「奈良原温泉 あさま苑」をご紹介しました。春から秋にかけての湯ノ丸山登山や湯の丸高原での散策、冬場のスキーの拠点として、または百体観音巡りやEバイクでのサイクリングなど、観光と併せて訪れるのもおすすめです。

 

今回紹介した場所

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